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8月2日ハーブの日 ハーブガイド2025.08.02




8月2日 ハーブの日 ― 香りに導かれる食の旅へ
古代ローマから現代へ紡がれる、イタリア料理サントウベルトスの香りの物語


8月2日は「ハーブの日」。
私たちイタリア料理「サントウベルトス」では、この特別な日に改めて“ハーブ”の魅力をご紹介いたします。ハーブは単なる香りのアクセントではなく、長い歴史とともに人々の暮らしや文化に寄り添ってきた、まさに「自然の叡智」です。



古代ローマ帝国に息づいたハーブの力


紀元前の古代ローマ帝国では、ハーブはすでに料理を彩る存在でありながら、それを遥かに超えた重要な役割を果たしていました。セージ、ローズマリー、タイム、ミントなどのハーブは、料理の風味づけに使われただけでなく、肉の保存や感染症の予防、さらには神々への捧げ物としても活用されていました。ローマ人は香りの力を通じて自然と人との調和を感じ、ハーブを「神聖なもの」として大切にしていたのです。


神殿や家庭の祭壇では、乾燥させたハーブが焚かれ、神聖な香りが空間を包みました。それは単なる芳香ではなく、自然と心身を結ぶ「香りの祈り」とも言える存在でした。



中世修道院で花開いたハーブの知恵


時代が進み、中世ヨーロッパでは修道院がハーブ研究と応用の中心地となりました。修道士たちは自ら薬草園を耕し、日々の祈りとともに植物の治癒力を探求しました。ハーブは単なる薬草ではなく、人々の健康を守るための“生活の知恵”として、次第に体系化されていきました。


その象徴が、イタリア・フィレンツェにある「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」です。世界最古の薬局の一つとして知られ、今なお美しいボトルに包まれたハーブの香りが多くの人々を魅了し続けています。



地中海の恵みが育むイタリア料理


ハーブの魅力を語る上で、地中海の自然環境は欠かせません。温暖な気候と豊かな日差しは、ハーブの栽培に理想的な条件を与えました。イタリアの各地方では、その土地ごとの風土と料理に根ざしたハーブ文化が育まれ、現在の多彩なイタリア料理の礎となっています。


例えばリグーリア地方では、バジリコ(バジル)が主役となるジェノヴェーゼソースが名物料理。トスカーナでは、ローズマリーを香らせた肉のローストが定番。南イタリアでは、オレガノやミントが料理に彩りと爽やかさを添えます。



サントウベルトスが大切にする「古典的ハーブ」たち


私たち「サントウベルトス」では、イタリアの伝統を重んじ、次のようなハーブを特に大切に使用しています。





  • バジリコ(バジル):トマトとの相性は抜群で、カプレーゼやパスタソースのアクセントに。




  • ローズマリー:香ばしくローストされた鶏やラムに欠かせない存在。フォカッチャに散らせば、焼き上がりに芳香が広がります。




  • タイム:煮込み料理や魚介類に奥行きを与える名脇役。長時間の調理でその魅力が深まります。




  • ミント:デザートやカクテル、サラダに清涼感を添え、特に夏には欠かせない爽やかさを提供してくれます。




料理ジャンル別・香りのガイド


それぞれの料理ジャンルに合ったハーブの使い方をご紹介します。





  • イタリア料理:バジル、オレガノ、ローズマリー、タイム、イタリアンパセリ




  • フランス料理:タラゴン、チャービル、ローリエ、エストラゴン




  • 和食:青じそ、みょうが、木の芽(山椒の葉)、柚子皮




  • エスニック料理:レモングラス、ホーリーバジル、ミント、コリアンダー





季節に合わせたハーブの選び方




  • :木の芽、チャービル、ルッコラ、ナスタチウム




  • :青じそ、ミント、レモングラス、バジル




  • :ローズマリー、セージ、タイム




  • :ローリエ、フェンネル、ラベンダー




季節ごとのハーブを取り入れることで、料理に“自然のリズム”を宿すことができます。



ハーブを活かす3つの基本




  1. フレッシュハーブ:香りが繊細で、仕上げや生食に最適。




  2. ドライハーブ:香りが凝縮され、煮込みや焼き料理に力を発揮。




  3. ハーブオイル・ハーブソルト:保存性が高く、日常使いにも便利な万能調味料です。




現代に息づく「素材を尊ぶ料理哲学」


現代のイタリア料理においても、ハーブは「素材の味を引き立てる」ための重要な要素として存在し続けています。ソースやスパイスで味を覆い隠すのではなく、素材本来の美味しさを引き立てるというイタリア料理の哲学において、ハーブはまさに“香りの架け橋”なのです。


地方色豊かな料理の中で、それぞれの土地に根ざしたハーブの使い方が息づき、有機栽培や伝統製法にこだわった高品質なハーブが、今なお多くの料理人に愛されています。






私たち「イタリア料理サントウベルトス」は、ローズマリーやバジリコ、タイム、ミントといった古典的ハーブを大切に用いながら、古代ローマから続くハーブの物語を、現代の一皿に蘇らせています。


8月2日の「ハーブの日」に、ぜひ一枚のバジルの葉、一枝のローズマリーが運んでくる香りの世界に、心を傾けてみてください。その香りは、きっと時を超え、あなたを遥か古代ローマの食卓へと誘ってくれることでしょう。


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