知っておくと安心、会席料理の作法2025.07.15

知っておくと安心、会席料理の作法
~はじめに~
日本料理の粋を集めた「会席料理」は、ご接待や婚礼の場など、大切な方との会食にふさわしいお料理です。しかし、正式な場における作法について、詳しくご存じない方もいらっしゃり、お食事にあたりご不安な思いがあるかもしれません。この度、少しでもお客様のお役に立ちたいという思いから、会席料理の品々をさらに楽しんでいただくために、知っておくと安心な作法をお伝えいたします。
お食事はただ栄養を取るためのものではなく、心を通わせ、人と人との絆を深める場でございます。美しい盛り付け、季節を感じる食材、料理長の手仕事が生み出す繊細な味わいの数々を、ご会食のひとときに存分にご堪能ください。
~会席料理とは~
そもそも会席料理という言葉の定義は、日本料理の中の分類の1つですが、実際にはどのような意味があるのでしょうか。
日本料理では、大きく3つの伝統的な様式があります。それが「本膳料理」「懐石料理」「会席料理」です。
まず「本膳料理」というのは、もともと武士が客人に料理をふるまうために室町時代に確立されたもので、現在は、本来の膳立ての形で見る機会は少ないですが、冠婚葬祭などの儀礼の場で形を残しています。
次に「懐石料理」は、茶会の席で出されるもので、飯、汁から提供されます。お茶の味を妨げないことが前提になっていますが、現代では「会席料理」との境界線があいまいになっているため、本来のお茶席の料理は「茶懐石」と区別されることが多くなっています。
では「会席料理」は何を表すかというと、酒宴向きに作られた料理のことで、献立に細かい決まりはありません。お酒と共に楽しむために、酒菜や華やかな料理など品数も多く、最後に御食事を出すのが基本となっています。
今では、会食の場で最も一般的な会席料理ですが、“もてなすための料理”という意味では、本膳料理の考え方がもととなっています。だからこそ、接待での会席料理は、見た目も楽しむことができ、おもてなしに最適なお料理なのです。
~会席料理のマナー~
お酒と会話を楽しむための会席料理ですが、いくつかの決まりごとがあります。是非参考にしてみてください。
➀おしぼりは正しく使いましょう
お食事の前、まず始めに手にするのがおしぼりですが、手を拭いた後は使用した部分を内側にして折りたたみ、もとの位置に戻します。おしぼりは、顔や首などを拭くために使ってはいけないとされています。食事の最中に口を拭くこともタブーです。
お食事中に口元の汚れが気になった際は、懐紙かナフキンを使用しましょう。口元以外にも、箸先の汚れや、グラスの口紅なども、これらを使ってぬぐうことができます。
②差がつくお箸の使い方
次にお箸の使い方ですが、間違っていると残念な印象をもたれてしまう可能性があります。ぜひ身に着けておきたいマナーばかりですので、正しい使い方をマスターしましょう。
割り箸を使用する場合は、左右に割ろうとすると、隣の人にぶつかる恐れがあります。水平に持って上下に割るようにしましょう。箸止めがついている利休箸の場合は、無理に引っ張って破いたりせず、片方ずつゆっくりずらしてとるようにしましょう。
箸置きから箸をとり上げるときは、まず右手で箸の中心を持ちあげ、左手を箸の下に添えます。左手で支えたまま、右手を右横に滑らせて箸の下に沿わせます。左手を外し、箸の三分の一くらいの位置に持ち替えて使うようにしましょう。
箸のマナーはその他に、返し箸、寄せ箸、探り箸、渡し箸などたくさんあります。また、手を受け皿にして食べ物が落ちないようにする動作は手皿と言って、こちらも一見上品に思いますが、マナー違反なので避けるべきです。食事をする相手に不快感を与えないよう、正しいマナーと所作を意識するようにしましょう。
③器、食材別の食べ方を理解しましょう
・先付、前菜
会席料理の最初に出てくるものですが、小鉢のような深さのある器の場合は持ち上げ、平らなお皿であればそのまま頂きましょう。
・御椀、煮物
蓋つきの椀は、目上の人が蓋を取ってから手を付けるようにしましょう。温かいお椀は、密閉状態になって蓋が開かないことがあります。そのようなときは、無理に蓋を引っ張るとバランスを崩してこぼしてしまう危険性がありますので、お椀の縁を軽く押して空気を入れて開けるようにします。蓋を開けたら、香りを楽しみ、蓋の内側が上を向くようにおいておきます。いただく際は両手でお椀を持ちましょう。
お箸を使う場合は、両手で器を持ち上げた後に、左手でしっかり持ち、右手でお箸をとって器を持っている左手の小指に挟みます。そのまま右手を返し、箸を持って頂きます。
煮物も、小ぶりな煮物椀であれば上記と同様ですが、大ぶりの器の場合は置いたまま頂きます。煮汁が滴るのを防ぐために、蓋を受け皿にするのも良い方法です。
食べ終わったら、蓋はもとに戻しておきます。
・御造り
お刺身は、山葵を醤油に溶かずに、お箸で少量ずつ取り直接刺身に乗せていただくようにしましょう。醤油が垂れるのが心配な時は、醤油皿を持ってもかまいません。盛り付けが崩れないように、味の淡白なものから頂くようにしましょう。
・焼物
焼物の魚ですが、切り身は一口大に箸で切りわけながら頂きます。尾頭がついているものは、頭からほぐしていただきますが、骨の反対側を食べる際も魚を裏返したりせず、骨を外して食べるようにしましょう。魚や殻付きの海老、貝など、食べづらいときは手を添えてもかまいません。
・揚げ物
揚げ物は、天つゆに薬味を入れていただきますが、天つゆが垂れないように、天つゆの器を持っていただくと良いでしょう。
・水菓子、甘味
最後に提供されるフルーツや和菓子です。フルーツは切れ目がある場合、右側から頂くようにしましょう。
~まとめ~
以上が、会席料理の作法です。堅苦しく感じるかもしれませんが、大事なのは同席する方へ不快な思いをさせないための配慮です。最低限のマナーを守り、楽しい会食の時間を過ごせるようにしたいですね。
日本料理香川では、京都で修業を積んだ料理長が趣向を凝らし、旬の食材を味わうことができる会席料理をご用意しております。季節を感じられる彩り豊かなお料理は、毎月献立を変えてお作りしております。月ごとにその時々の厳選した食材を仕入れておりますので、ご接待やお顔合わせ、様々なお祝い事やご会席にぜひご賞味下さい。
当店は銀座いう立地にございますので、アクセスも良く、大人数でのお集まりにも最適でございます。
ご予約、ご用命は、お電話にてお問合せ下さい。コンシェルジュが貴方様のご希望に合わせたお料理のご提案、個室のご提案をさせていただきます。
ご来店を心よりお待ちいたしております。
以上が、会席料理の作法です。
堅苦しく感じるかもしれませんが、大事なのは同席する方へ不快な思いをさせないための配慮です。最低限のマナーを守り、楽しい会食の時間を過ごせるようにしたいですね。
日本料理香川では、京都で修業を積んだ料理長が趣向を凝らし、旬の食材を味わうことができる会席料理をご用意しております。季節を感じられる彩り豊かなお料理は、毎月献立を変えてお作りしております。月ごとにその時々の厳選した食材を仕入れておりますので、ご接待やお顔合わせ、様々なお祝い事やご会席にぜひご賞味下さい。
当店は銀座いう立地にございますので、アクセスも良く、大人数でのお集まりにも最適でございます。
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会席料理の所作をほんの少し意識していただくだけで、場の空気は一層和らぎ、同席される皆さまとのご歓談も、より穏やかで心地よいものとなります。美しい器に込められた季節の恵みを味わいながら、言葉を交わし、笑顔が自然とこぼれる――会席とは、まさにそんな“ひとときの交差点”です。
作法は決して厳しいものではなく、お互いへの思いやりをかたちにしたもの。品よく、さりげなくふるまうことで、お料理の味も、語らいの楽しさも、より一層引き立ってまいります。
会席の心を知り、所作に心を添えながら、皆さまのご歓談が和やかに、楽しく深まってゆきますことを、心より願っております。
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