夏の甘味 錦玉と水羊羹を銀座の個室で味わう2025.06.21

夏の甘味 錦玉と水羊羹を銀座の個室で味わう
日本料理香川では会席料理の甘味として錦玉と水羊羹をご用意致しております。
会席料理の締めくくりとして供される涼やかな甘味は、まるで余韻の美しい日本の夏の風景を閉じ込めたかのような至福の一口です。そっとゆれる風鈴の音すら聞こえてきそうです。
水羊羹や錦玉のひんやりとした舌触り、ほのかに広がる小豆の滋味、寒天の透明感—これらは、食の締めくくりとして心を穏やかにする役割を果たします。
特に和食の構成は、すべての皿が調和しながら流れるように進みます。
前菜から椀物、焼物、そしてご飯へと続き、最後に甘味で幕を閉じることで、ひとつの物語(絵巻物)のように食体験が完結します。
最終の甘味は、ただの菓子ではありません。
暑さをしずめ、会席の余韻を楽しみながら、満ち足りた幸福感とともに季節を味わう。
錦玉と水羊羹の煌めきは、日本料理が誇る美意識の結晶とも言えるでしょう。
夏の涼を感じながら、静かに甘味を口に運ぶ—その一口が、すべての料理を引き立て、心を満たします。
和食の最期に訪れるこの静謐な幸福は、日本の食文化の繊細さを象徴しています
錦玉(きんぎょく):日本の夏を彩る涼やかな和菓子
錦玉は、寒天を使った透明感のある和菓子で、夏の涼を感じる甘味として古くから親しまれています。水羊羹と同じく寒天を使用しますが、錦玉羹はより硬めに仕上げることで、シャリッとした食感と薄紫のグラデーションの美しい輝きを楽しむことができます。
錦玉の歴史と文化
錦玉羹の起源は、江戸時代にまで遡ります。当時、和菓子は茶道の発展とともに洗練され、見た目の美しさも重要視されるようになりました。錦玉羹は「金玉羹(きんぎょくかん)」とも呼ばれ、透明感のある美しい輝きが宝石のようだと評されました。
また、江戸時代には「干錦玉」という形も生まれ、乾燥させた錦玉が保存菓子として重宝されました。
京都や江戸では、錦玉羹が茶席の菓子として用いられ、日本の夏の風物詩として定着しました。
錦玉の特徴と作り方
錦玉羹は、寒天に水・砂糖・水飴を加えて煮溶かし、型に流して冷やし固めることで作られます。
固まると、表面が乾燥し、砂糖が結晶化するため、シャリッとした歯触りと寒天のぷるんとした食感を楽しめます。
透明度が高いため、金魚や水草の模様を閉じ込めた「金魚の錦玉羹」など、夏の涼を感じさせるデザインが施されることが多く、目にも涼しい和菓子となっています。芸術的要素が非常に高い和菓子です。
また、抹茶や柚子などを加えて色や香りを楽しむこともでき、季節の花や果物の風味を活かした錦玉羹が各地の老舗和菓子店で販売し腕をふるっています。
錦玉紫陽花:美しさと涼を兼ね備えた季節の和菓子
この高松会席の甘味として提供される「錦玉紫陽花」は、夏の代表的な花である紫陽花を模した美しい錦玉羹です。
紫陽花は梅雨の時期に咲き誇る花で、日本庭園や寺院の境内を彩ります。
静寂の中に七変化する紫陽花はの美しさを見事に表現しています。
錦玉羹の中に紫陽花をイメージした色彩を閉じ込めることで、
まるで夏の庭園を映し出したかのような雅な雰囲気をお皿の上で楽しめます。
透明な寒天と白あんを組み合わせることで、口当たりは柔らかく、
上品な甘さに仕上げています。この錦玉羹は、茶席のお菓子としても人気があり、
目でも味でも涼を感じさせる逸品です。
夏の水羊羹—涼を纏う雅な甘味
日本の夏は、蒸し暑さとともに訪れる季節の移ろいを感じさせます。そんな夏の風物詩のひとつとして、水羊羹は古くから人々に愛されてきました。
つるっとした舌触り、ひんやりとしたのど越しが魅力です。透き通るような滑らかさと、ひんやりとした口当たりは、まるで涼風が舌の上をそっと撫でるかのような趣を持っています。
水羊羹の歴史は、江戸時代にまで遡ります。もともと羊羹は蒸し羊羹として親しまれていましたが、寒天の普及とともに、より軽やかで瑞々しい水羊羹が誕生しました。特に京都や金沢などの茶の湯文化が根付く地では、夏の茶席に欠かせぬ菓子として、涼を演出する役割を担ってきました。
その製法は、極めて繊細であります。厳選された北海道産の小豆をじっくりと炊き上げ、丹念に裏漉しすることで、雑味のない滑らかなこし餡を作り上げます。これに、伊豆諸島産の天然寒天を合わせ、絶妙な加減で煮詰めることで、口の中でほどけるような食感を生み出します。甘さは控えめに仕立てられ、余韻に広がる小豆の風味が、静寂の中に佇む日本庭園のような落ち着きをもたらします。
さらに、水羊羹は、夏の暑さを和らげる涼菓として親しまれるだけでなく、その小豆による魔除けの力をもって、穢れを払うお菓子としての意味も持っています。水羊羹を口にすることで、身体を涼しく保つだけでなく、心の清浄も願う—そんな日本の伝統的な美意識がここにあります。
水羊羹の美しさは、その佇まいにもあります。漆黒の器に盛られた水羊羹は、まるで夏の夜空に浮かぶ月のような静謐な輝きを放ちます。竹の葉を添えれば、涼やかな風がそよぐような趣が加わり、まさに日本の美意識が凝縮された一品となります。
夏の夕暮れ、涼を求めるひとときに、静かに水羊羹を口に運びます。ひんやりとした甘味が広がり、暑さに揺らぐ心をそっと鎮めます。これは単なる菓子ではなく、季節を味わう雅なひとときであります。
日本の夏を、より優雅に彩る水羊羹。その一口に、涼やかな風が吹き抜けます
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