銀座の個室で美味しい日本酒を・・・「奥深い日本酒の世界」人々の繋がりを支える日本酒の在り方2025.08.04

「奥深い日本酒の世界」人々の繋がりを支える日本酒の在り方
はじめに
日本酒は、日本における伝統的な酒として、昔から人々の交流の間に存在してきました。現代では、多種多様な食文化と共に、お酒もまた国境を超えて様々なものが楽しめるようになっていますが、日本人にとって、日本酒は固有の文化として発展してきました。そこで今回は、より美味しく味わうために、日本酒の歴史と意義、製造工程、味わいの種類に至るまで、理解を深めていきたいと思います。
日本酒の起源
そもそも、日本酒とは何をもって日本酒というのかというと、もっとも簡単な定義は「米と米麹・水を原料として発酵させたもの」とされています。米の発酵が日本酒の起源とすると、それまでの狩猟民族から農耕民族に変化していく、弥生時代が日本酒作りの始まりと言われています。
こうして約2500年前から、日本酒が作られるようになった背景には、その当時の稲作が日本人の生活にとって非常に重要だったことが関係しています。5月の田植えに始まり9月の稲刈りまで、稲作の節目には神事が行われてきました。田植えの際には春の祭り、実りを祈る夏の祭り、収穫後に秋の祭りが行われ、五穀豊穣を願う儀式が脈々と続いてきたのです。そうして、無事に収穫を終えると、八百万の神に感謝して御神酒をささげ、また次の豊作を祈ります。
この御神酒こそが、その後の日本酒の文化を作っていったのです。今では当たり前になっている、鏡開きや地鎮祭などあらゆる行事・祭事も同じように、元々は神に祈りを捧げ、そのお酒を皆で分け合う神人同食の意味を持っています。そして現代でも、日本酒は人々が同じ酒を酌み交わし、親交を深めるのに一役買っているのです。
日本酒はどのように作られているのか
世界には古来より沢山の酒が存在していますが、日本酒はワインやビールなどと同じ、醸造酒に分けられます。原料である米を発酵させることで出来る日本酒ですが、以下の通り、細かい工程を経ていることが分かります。
- 精米
日本酒に適した山田錦や五百万石などの米を、玄米の状態から精米する。
- 洗米、浸漬
ぬかなどを水洗いし、10~15℃ほどの水に浸す。
- 蒸米
米を蒸して粘りを出す。その後広げて放冷する。
- 麹作り
35℃程度の麴室で蒸米に麹菌をかけて繁殖させることで、米のデンプンをブドウ糖に変える。
- 酒母(酛)作り
水と麹、酵母、蒸米を発酵させ、酵母を増やしたもの、すなわち酒母をつくる。
- もろみ作り
酒母の入ったタンクに、麹、蒸米、水を三回に分けて入れ、もろみを作る。麹菌が米をブドウ糖に分解し、同時に酵母がブドウ糖からアルコールに分解される。この状態で三週間から1ヶ月発酵させる。
- 搾り
もろみに圧力をかけ、搾っていく。
- 濾過
搾った後の日本酒をろ過する。搾りよりもさらに細かい固形物を取り除いていく。
- 火入れ
残っている酵母が発酵すると味が変わってしまうため、60~65℃のお湯に沈めて酵母を死滅させる。火入れしないものは「生酒」と呼ばれる。
- 貯蔵
火入れ後、半年から一年ほどタンクで貯蔵する。
- 調合
タンクごとの味の差を均質化させるため、ブレンドや加水をして調合する。
- 瓶詰
最後まで温度管理に注意を払い、瓶詰をして完成。貯蔵前に一度火入れしたものは「生詰め酒」、瓶詰前に一度火入れするものは「生貯蔵酒」と呼ばれる。


日本酒の味を決める要素
このように日本酒は、細かな工程の中で、作り手や水、温度や発酵具合、また貯蔵の仕方で個性が生まれますが、その他にも、精米歩合、香りなど、本当に様々な要素が組み合わさって味わいが変化します。
まずは精米の歩合です。米と米麹、醸造アルコールを原料にしたものと、米と麹だけ原料としたものに分かれ、それぞれの精米歩合によって特定名称が定義されます。
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 |
本醸造酒 | 米・米麹・醸造アルコール | 70%以下 |
吟醸酒 | 米・米麹・醸造アルコール | 60%以下 |
大吟醸酒 | 米・米麹・醸造アルコール | 50%以下 |
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 |
純米酒 | 米・米麹 | 規定無 |
純米吟醸酒 | 米・米麹 | 60%以下 |
純米大吟醸酒 | 米・米麹 | 50%以下 |
次に、香りです。日本酒のタイプを表す上で、香りの分類が、薫酒、爽酒、醇酒、熟酒の4つに分けられます。
薫酒は、その名の通り香りが高くフルーティなものを指します。特定名称だと、大吟醸や吟醸がこれに当てはまります。飲み頃はだいたい10~15℃で、常温や熱燗には不向きとされています。せっかくなので、食前酒にしても、そのものの味わいを存分に堪能できます。
薫酒ほど香りはありませんが、軽い口当たりで飲みやすいものを爽酒と言います。本醸造や生酒を指すことが多く、すっきりしているので食事に合わせやすく、10℃以下でしっかり冷やすか、温めても美味しい日本酒です。
どっしりとした味の濃さと香りの強さが特徴の日本酒は、熟酒と呼ばれます。長期熟成したものや、古酒など、独特な香りがクセになる深い味わいです。常温で、とろみを楽しむのが良いといわれています。
香りは強くない方が良い、けれども軽すぎず、コクは感じられる日本酒が好み、という方は醇酒がおすすめです。自然の乳酸菌を利用して発酵させる生酛の日本酒や、純米酒がこの類です。ぬる燗でも良いですが、あまり冷やしすぎない方が醇酒の良さが引き立ちます。

日本料理香川の日本酒ラインナップ~美味しいお肉や会席料理とともに~
以上、日本酒の歴史、製造工程、香りの分類を見てきました。日本酒のことを知れば知るほど、それぞれの違いが分かり、より美味しく感じられることと思います。
日本料理香川は、1975年の創業時から美味しいお肉にこだわり、伝統の味付けでお召し上がりいただけるすき焼き・しゃぶしゃぶや、厳選した旬の食材を味わえる会席料理などを取り揃えております。ご接待や会食に欠かせない日本酒は、当店の自慢のお料理を引き立てるよう、全国各地の銘柄を常時15種類以上ご用意いたしております。以下は日本酒メニュー一例ですので、是非ご参考になさってください。
横笛 純米酒(長野県諏訪市 伊東酒造) |
アルコール度数15% 長野のしらかば錦を主とした、純米酒らしいバランスの良い味わい。焼魚などに相性が良い。 |
奥の松 特別純米酒(福島県二本松市 奥の松酒造) |
アルコール度数15% 安達太良山の伏流水、特別配合の麹と酵母にこだわった穏やかな香りの日本酒。冷酒はもちろん、ぬる燗でも美味しいお酒。照り焼きのような味の濃い料理にも負けないので、すき焼きと合わせても良い。 |
賀茂鶴 本醸造酒 (広島県広島市 賀茂鶴酒造) |
アルコール度数14% きりっとした飲み口の爽酒。寒い冬には熱燗で、暑い夏には冷酒として、会席料理のおともに是非どうぞ。 |
雪の茅舎 純米吟醸 (秋田県由利本荘市 齋彌酒造) |
アルコール度数16% 山田錦と秋田酒こまちを55%まで磨き、人の手は必要最低限に、微生物の力で作られる。優しい飲み口から適度な酸味、後味はほのかな苦みがあり、複雑な味わい。冷やしすぎず、常温か少し温めることで独特の深みを堪能できます。脂との相性も良いので、和牛のステーキと合わせるのもおすすめです。 |
立山 純米吟醸(富山県砺波市 立山酒造) |
アルコール度数15~16% 山田錦使用、55%精米。魚が美味しい地域ならではのお酒なので、お刺身と相性抜群です。特に味わい濃厚なブリなどと合わせるのがおすすめ。 |
煌 金陵 純米大吟醸 (香川県沖多度群 西野金陵株式会社) |
アルコール度数16~17% 薫酒に分類される、高貴な味わい。35%まで精米した洗練された味わいは、圧倒的に冷酒がおすすめ。淡白な白身魚、鮑や伊勢海老に合わせると美味。是非、日本料理香川で、香川県が誇る至高の日本酒をご堪能下さい。 |
獺祭 二割三分 純米大吟醸(山口県岩国市 株式会社獺祭) |
アルコール度数16% 名前の通り、23%という極限まで磨いた純米大吟醸。はちみつを思わせる甘い香り、長く続く余韻が特徴。繊細な会席料理一品一品どれも合わせやすいですが、食後酒としてそのままの味を楽しむのも通な飲み方です。 |
十四代 別撰諸白 純米大吟醸 (山形県村山市 高木酒造) |
アルコール度数15% 精米歩合45%の兵庫県特A地区産山田錦使用。ラ・フランスや花を思わせるさわやかな香り、温度が上がると濃厚な甘い香り、そして酸味のバランスも良い。別撰の名が表す特別な品質、製法により、入手困難な憧れの日本酒となっています。和食との相性は抜群で、華やかな吟醸香は同県の日本三大ブランド牛の米沢牛とのマリアージュに最適です。 |
上記の他にも多数ご準備しております。
最後に
日本酒の世界がとても奥深く、日本人の生活、文化、人々の交流において密接な関わりがあることを、あらためて実感しました。杜氏たちの思い、日本特有の環境によって発展を遂げた日本酒の歴史を感じることで、より味わいと魅力を感じられることでしょう。
日本料理香川では、ご接待やお顔合わせ、その他お祝い事にも適した、趣向の異なる個室を多数ご用意しております。是非、大切な方とのお食事に、こだわりのお料理と厳選した日本酒を味わってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店を心よりお待ちいたしております。
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